徒然日記

徒然なるままに書いていきます 固めのものからゆるい日常まで書きたいものを

人生初の単発バイトしたら色々思うことがあったって話

金がない

 

夏には旅行とか色々行きたいし、ついこの間久しぶりにチャリ乗ったら楽しくてサイコンとか輪行袋とか衝動買いしちゃったり…

 

今年の3月までは、受験生の頃に通っていた塾にそのまんま勤務していた

仕事内容なんてほぼ無いに等しくて暇なら読書しようがPC開いてレポート書こうが自由

みたいな環境でぬるぬると働いていたのに先方の教室そのものが無くなるとのことで自動的にクビ

しばらくはバイトはいいか〜 なんて漠然と考えてけど最初に書いたような状況を鑑みると全く良く無かった

 

とはいえ定期はキツいので単発バイトをしてみることに

 業務内容はさっくり言えば冷凍庫の中で荷物の整理

 

……いや寒いわっっっ

多分氷点下20度ぐらいだった 

寒すぎてもう手足の指の感覚が死んで、休憩時間は「凍傷 指 切断」で検索しちゃうぐらいの寒さ

 

前半はひたすら荷物を入れるためのカゴを展開してカートに乗せていき、後半は指示されたものをカゴにいれていくというもの

物流のハブのような場所で、冷凍系のものがすべてここに集められて各コンビニへ発送されていく

要するに物流の最前線のような場所で働いたのだが、とにかく物流システムの凄さを思い知った

とにかく扱う量が凄い 

今日一日で少なくとも数100㎏ぐらいのものを運んだ気がする

規模の経済というものを実感するにはもってこいの現場だ 

体を動かすのはそこまで嫌いじゃないし、物流を担っている感があってなかなかやりがいがあった

皆にも一度やってみることをお勧めしたい

 

 ここから少し硬めの話にシフト

これは所謂AIとかロボットにとって代わられるような仕事ではない とも感じた

ロボットでは到底できない、仮にできたとしても効率が悪い

指示を受け、荷物を運び、カートに形を整えつつ収納していく

しかも極低温下で滑りやすくなっている床の上で

そんなロボットを作るぐらいなら、時給1000円でそこらの人間を雇った方がはるかに楽だ

 このお仕事は義務教育すら終えてなくても健康的な体と最低限のコミュニケーション能力さえあれば出来てしまう

 少し前まではそういう誰にでもできる仕事をやりたくない!なんて心のどこかで思っていたけれど、いざ金が必要となるとそんな拘りは容易に捨ててしまう

そういう自分の思考を敷衍してみると、明日の生きるすべすら不確かな差し迫った人間が劣悪な環境であろうと低賃金であろうと仕事をする ということは当然のこと

昔の自分の浅はかな思考としては、環境や賃金が酷い職場は人が働きたがらないので自由競争のもとに自然に消えゆき均衡状態に到達する というものだったが、これは誤りだと今はわかる

 

経済学の言葉でRace to the bottom(底辺への競争)というものがある

原義としては国家レベルでの理論で以下のような例が分かりやす

仮に、二つの国の法人税が同じ30%であって、各国で企業が100億円の利益を上げているとすると、それぞれ30億円ずつ税収がある。税率が同じであり、企業は移動しない。(A.30 B.30)

  1. 一方の国(A)が、法人税を20%にすると、もう一方の国(B)から企業が移転し、企業の利益は合計200億円になるので、20%の税率でも40億円の税収が見込める。つまり、この選択はAにとって10億円の税収増をもたらす。(A.30→40、B.30→0)
  2. しかしこれではBは税収がなくなってしまうので、これを避けるため、Bは税率を10%とする。Aから企業が移転し、企業の利益は合計200億円、10%の税率で20億円の税収となる。2の状況と比較すると、この選択はBにとって20億円の税収増をもたらす(A.40→0、B.0→20 )。
  3. しかしこれではAは税収がなくなってしまうので、これを避けるため、Aは税率を5%とする。Bから企業が移転し、企業の利益は合計200億円、5%の税率で10億円の税収となる。3の状況と比較すると、この選択はAにとって10億円の税収増をもたらす(A.0→10、B.20→0)。
  4. 以下繰り返し。

各国はその時々において税収を増加させるべく妥当な行動しているのであるが、結局は税収を失っていく。

(引用元 底辺への競争とは - goo Wikipedia (ウィキペディア) 

 

 すなわち国家対国家での理論である ここで注目すべきは両国家は損を被るが企業は利得を得られるということだろう

そしてこの理論は労働者階級と労働者階級の間でも適用できるだろう

言うまでもなく利得を得られるのは労働者階級を雇う側の資本者階級だ

 

先に述べたように 真に困っている人間はどんな環境でも働けないよりは働いた方がましと考える

当然資本家階級は賃金を安く抑えられるには越したことはないので、少しでも低賃金で雇える人間を雇う

すると労働者は雇われるために自ら底辺への競争をすることとなる

これは机上の空論ではなく、EUの雇用問題においても実際に起こっていることだ

シリアなどの難民だけでなく経済難民が流れ込むことで本来その国で働けるはずだった人の雇用が奪われている(EU各国内で最低賃金が違いすぎるというのも問題の一つ

EU域内諸国の法定最低賃金に11倍の格差(EU:2006年8月)|労働政策研究・研修機構(JILPT)

これは英国のEU離脱論争の際の論点でもあり、国民感情を左右しうる大きな問題だったであろう

 

日本ではここまで問題は深刻化していない それはなぜか?

①日本は島国でありEUのように簡単には人が入ってこない

最低賃金の格差がEUほど深刻ではない

③日本は難民受け入れが非常に厳しい(日本の難民受け入れ問題はどのような状況か? | Platnews

)それはそれで問題かもしれないが…

などがあげられるだろう

 だいぶ前になるがTPP参加論争みたいなものが起こった際にはメディアは参加を歓迎みたいなムードを出していた

当時の自分も恥ずかしながら経済の知識は浅学であって、自由主義に身を委ねよーぜ!!みたいな意見を抱いていた気がする

しかしそんな考えではどうなるか 

ここまで読んでくれた方なら汲み取っていただきたい

 

すなわち自由競争というものは、あくまでも完全に野放図ではない
確かな枠組みのもとでこそ発揮されるものなのだ

国家間でいえば国際連合や条約などで

資本家階級と労働者階級でいえば国が確かな枠組みをつくり雇用を保護する必要があるだろう

 

極端に言えば1%の超特権的資本家階級と9%の知的労働者と90%の社会の歯車となる奴隷階級

のような社会構造になってしまうかもしれない

これは杞憂に過ぎないのだろうか? 

 

まあとりあえず最低賃金を1000円ぐらいにして、交通費とか拘束時間はきっちり給料ほしいです

冷凍庫バイトはもうやることはないでしょう 

なんてったって寒いから