「分子ガストロノミー」という料理のジャンルを皆さんはご存知でしょうか?
Wikipediaの説明を拝借すると
分子ガストロノミー(ぶんしガストロノミー、英: molecular gastronomy)とは、調理を物理的、化学的に解析した科学的学問分野である。分子美食学と訳されることもある。
????????
この良く分からない料理分野に出会ったのは、食戟のソーマというジャンプ漫画でした。
でも漫画の話だし、その時は食べようと思えば食べられるなんて夢にも思ってなかったので、分子ガストロノミー料理と称してねるねるねるねを作ってキャッキャする生活を送る日々。
それからしばらくして出会ってしまったのが、オモコロのナムヤムパンリエッタさんブログ。
食べようと思えば食べられる…!!そのことを知ってしまったので死ぬまでにやることリストに「分子ガストロノミー料理を食べる」が追加されました。
しかし、この記事が出た直後ということもあり予約は常にいっぱい…お金もないし、いつか行こうと思いながら時が経ち…突然のコロナ禍…外出が減り溜まるストレス…一方で出費が減り溜まっていくお金…それらは味めちゃ欲求(上記ブログ参照、味でめちゃくちゃになりたい欲求)に昇華されて、友達に唐突にラインを飛ばしました。
持つべきものは「味でメチャクチャになりたくないか?」とかいう意味不明な誘いで全てを理解してくれるフットワークの軽い友人。これは間違いないです。
奇跡的にナムヤムパンリエッタさんのブログのお店も直近三日間だけ予約が取れそうだったので即予約。
前置きが長くなってしまいましたが、それほど自分にとっては待望の出来事だったということです。
ということでCelaravirdさんに来ました。
客層はマダムという感じの方々が殆どで、明らかに浮いていました。
店内の本棚。
テーブルから既に品格が漂っている。
メニュー表もオシャレ。
初めに総評を言っておくと本当に美味しいです。
ただ美味しさがわかる美味しさとわからん美味しさに分岐してて、何回も頭の中でノブがわからんと言ってました。
そしてアルコールペアリングという料理に合うお酒が運ばれてくるというシステム。
最初に3択ぐらいアルコールの選択肢があったもんで毎回お酒を選べると思った友達がDetroit: Become Humanみたいだなって言っていたけど、間違いなくこの空間において変異体です。
そして待ち侘びた一品目がこちら。
?????わからん。可食部どこ?????
メニュー表を見てみると
「樹氷 コットン」
わからん…新しすぎる…この置いて行かれる感じが最高だ…
説明を丁寧にしていただいたけど、使われる単語に馴染みがなさ過ぎて聞き取れなくて、英語リスニングと一緒だ~って思いました。
ちなみに可食部は左側を向いている枝っぽいやつと、コットンを模したものは4つのうち2つだけ(2つは本物のコットンらしい、罠?)
ブログを書くにあたって味を思い出そうとしたけど今までにない味だったので再現性がなくてよく思い出せません。説明できないんで食べてください。
2品目「毛玉 ビーツ」
これももちろん美味い。けど形容できないんです。
3品目「林檎 マンチェゴチーズ」
やっと馴染みある食材きた~って思ったら
芯の部分だけお食べください、とのことでした。余裕で全部食える気がしますけどね。
4品目「牡丹海老 根セルフィーユ」
わかる美味しさ。セルフィーユがなにかわからないけどとにかく美味しい。
メニュー表にはなかったけど、パンとバルサミコ酢が入ったやつ。
ようやく安心できるパンという食材。パンも当然美味しい。
5品目「折り鶴」
この折り鶴は飾りではなく食べられるのです…どうやって作っているんでしょうか…
6品目「冬の大地」
ネーミングのセンスが良すぎませんか?
野菜の甘味…そして下の謎の土を模したもののジャリジャリ食感…よくわからんけど美味しい!
7品目「蟹 カルドッソ」
庶民の言い方をすればカニ雑炊。分かる美味しさ。
8品目「百合根 トリュフ 白子」
ここでまたわからん美味しさに飛ぶのが辛かった。
いや 何度もいうけど全部おいしいんですよ。でももう味の振り幅が体験したことないもんだから形容できないし、振り回されてる感がすごい。これが味でメチャクチャになるってことなんでしょうか。
9品目「帆立貝 スモーク」
容器を開けた瞬間燻製の香りがはっきりと感じれられる。帆立は分かる。最高。
10品目「紀州鴨」
緑のやつは春菊のソース。メインディッシュらしく確かな肉感。
このかき氷みたいなやつが「大きくて軽くて冷たい」というテーマで、口に入れると溶けるってレベルじゃなくて消える。霞を食べる仙人体験ができました。
こっちは「小さくて重くて暖かい」というテーマで、この2つで
11品目「カカオ対照」
メニュー名が洒落すぎている。
そしてほっと一息の日本茶。一番煎じと二番煎じをそれぞれ最適の温度帯で煎れているらしいです。
この日最後のメニューは「冬の日の窓の曇り具合」を再現した箱に入れられてやってきて、指で拭いて匂いを嗅いでみてくださいと言われて嗅ぐとほのかに指先にバラの香りがついてる。オシャレが過ぎる…!!
ホントにバラの香りが付く曇りとかどうやってやってるんですかね??
12品目「栗 ふたつのスノードーム ラズベリーソーダ」
食べられるのは右側の3つ全部と左側の封筒の蝋の部分。
どこまで食べれるか分からなすぎる。
そして大満足&驚きの連続のコースが終了。大体3時間程度でしたがあっという間に過ぎ去ってしまいました。
食後に隣の席の貴婦人に何で知って来たんですか?と聞かれて少しお喋り。そら貴婦人が集う中若い男2人がいたらそうなりますよね。
隣の貴婦人はオープンした6年前から行きたいと思っていたとのことで、思い立って直ぐ予約出来たのは本当に運が良かったようです。
店員さんにも聞かれて、オモコロから来る人は多くいるということが判明しました。
シェフの人にも聞かれて「分子ガストロノミー料理が食べたくて」と言ったら「分子ガストロノミーってそれだけでメニュー作るの難しいし厳密にはウチ違いますけどね」という衝撃の事実が告げられました。
でも、分子ガストロノミーという響きが素敵なのでそういうことにしておきます。
そしてお会計へ
気になるお値段は
総額 22334円
これをただのご飯代として捉えると確かに高いのかもしれませんが、人生で一度は体験してみたかったので大満足しています。
こういう上質なサービスは食事というコンテンツそのものに付随する雰囲気とか客層とかもてなしとか…そういったものひっくるめての値段ということも理解することが出来ました。
皆さんも是非この不思議料理を体験してみてください。